WARNING!!
今作品は主人公がオリキャラで且つ現実→Fate物の作品となっております。
主人公は結果的に最強系になると思いますし、設定が原作と逸脱する箇所も多々あるかもしれません。それを踏まえた上で、読んでみようと思う方はこのままお進み下さいませ。
なお、進行上の仕様として(Fate世界の)主人公は凜、士郎他大抵のFateキャラに関してクラスメイト程度の親交はある事にしています。悪しからず。
また、各ルートをごちゃ混ぜたりしているので、stay nightの聖杯戦争通りには多分行きません。この物語では、聖杯も全ての時間軸(平行世界)の記録を備えている事にしていますので、その辺もご容赦して頂ければ幸いです。









・・・Standing by(■■■■、起動)


Setup a bone(骨格を形成し)


Enchanted a body(外郭に肉を付与し)


Tick away the minutes(数多の時を刻み過ぎさせ)


It's refined with an experience(存在しない経験で精錬し)


Shrouded in unknown(世界を騙して包み込む)


And so now here・・・(だから今ここに)












2005年の秋。肌寒くなるこの季節、オレこと七枷陣(ななかせじん)は会社を辞めた。

「おい七枷、なにこの報告書!全然出来てないやないかおい!!」

「あ・・・・・・はぁ」

「はぁやないておい・・・。これどういうこと?説明せぇやおい・・・聞いてんのか」

「・・・・・・・」

ガミガミクドクドガミガミクドクドガミガミクドクドガミガ・・・・・・・・ぷちん。

「あ〜もう!!そんな言うんだったら辞めたらぁクソが!!!」


以上、回想終わり。たった一年程度で辞めてしまったが清々した。元々自分には微妙に合わないかなと思ってた所だし、後悔はない。まぁ、これでオレも世間一般の所謂ニートになってしまったわけだが。再就職する気は今のとこ微妙に起きない。貯金は取りあえず十分にあるわけだし、暫くはてきとーにやりくりするか。
当面は、仕事で忙しかったから全然やる暇の無かった積みゲーを消化しようっと。えーと、何からやろうかなっと・・・最近のじゃGOD OF DEATH、はじてつ、つよきすetc。ジャンルもなにもあったもんじゃないな。全くもって節操がない。いや、改善する気は無いですけどね?
・・・ん?箱の墓場からちらりと目に止まった。


『Fate/stay night』・・・そのタイトルが。




『Fate/The impossible world』




まぁ取りあえずやってみた。結論から言えば、最強。この一言に尽きる。1日半(いつの間にか徹夜ってたが)かけて世界観、キャラクター、シナリオ、場面場面の戦闘に燃え、一時の小ネタに笑い、アーチャーと士郎のせめぎ合いに感涙した。オーバー気味な感想だが、実際そうなのだからしょうがない。サイドマテリアルも速攻で読破。ファンディスクのホロウも勢いに乗ってプレイした。全部のシナリオを回ってしまったから更に1日半。計3日間寝ずに遊び尽くしてしまった。一言言うなら、バゼットに萌えた。ボーイッシュ女性良いよね。
しかし流石に3日もやってしまったから眠気が酷い。PCの電源付いたままだけど速攻で爆睡実行。・・・おやすみ。
・・・。
・・・・・。
・・・・・・・・・・。





ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・
・・・・・・むぅ〜。
ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・ピピピピッ・・・
う゛〜〜〜〜ん・・・。
ピピピピピピピピピピピピ・・・・!!!

「・・・う゛ざい!」

ガン!布団から顔を出さずに、いつもの場所に置いてある目覚ましに拳を振り下ろす。
静かになった。さて、これで二度寝を実行できる。おやすみなさい。

「陣〜、もう8時半よ〜!何してんの〜?」

今度は家のかーさんが下から喧しく声をならす。バタン!オレの部屋のドアが開き、ダイレクトアタックを仕掛ける我が母親。

「陣、もう朝よ。早よ起き」

「別にえぇやんかかーさん。もうオレ仕事辞めてんやからもう少し寝かせてー・・・」

地の関西弁で抗議する布団団子(オレ)。

「・・・はぁ?何寝ぼけてんのアンタ。まだ学生のくせに仕事も何もあらへんやんか。それより今日、遠坂さんと新都で待ち合わせって昨日言うてたでしょ。何時なんか知らんけど、もう起きといたほうがええんちゃうの?」

「―――――――は?」

目が覚めた。学生?誰が?っていうか、オレ?しかも遠坂っていう名前のやつはオレの連れには居なかった筈だ。香坂っつーヤツはいたけど。連れじゃなく寧ろ敵で。

「や、何言ってんのかーさん。オレとっくに高校も大学も出てるし、ちょっと前まで会社にも行ってたんだけど?」

「そっちこそ何言うてるん?アンタ今、穂群原の2年やんか。寝ぼけんのも大概にしぃ」

え、今何て?穂群原?ほむらばら・・・・ホムラバラ・・・・ってそんな学校知らんし。でもここ最近でその名前は聞いたことあるような。確か・・・・フェ―――


―――――ザザ――ッ。


ん?何を考えていたんだっけか?寝ぼけてるのか良く思い出せない・・・。

「ほらさっさと着替えて支度する。遠坂さん待たせたらあかんよ」

「あ―――う、うん分かった」

釈然としない。何か激しく重要な事を思い出せないから。

釈然としない。支度して外に出て、全く知らない筈の道のりを何となく覚えているから。―――覚えていると『認識』している。いや、誤認?理解?・・・むぅ。

釈然としない。見覚えのない自分の生徒手帳(だと思う)に書かれた、

『予定、1月24日(土)。新都駅前で遠坂の借りの清算。たかられるのは屈辱だが致し方ない。い・・・1〜2万で・・・済むと・・・いいなぁ』

この自分の字で書かれた予定メモ。小さく書かれた最後の行は見なかったことにした。どうやらこの遠坂というヤツは守銭奴らしい。多分。
借りがある覚えがないので、わざわざ新都・・・っていう所に向かうのは本当に釈然としない。しかし約束がある以上、無視するわけにも・・・・・・・・無視したいなぁ。
考えながら何となく歩いているうちに、新都・・・だと思う・・・に着いていた。メモにあった通りに駅前で待つ。

「あら、意外ですね七枷君。貴方が約束の時間前に居るなんて」

背後から声がかかる。どうやら約束の遠坂という人物が現れたようだ。

「はぁ、まぁ一応約束らしいんで。えっと貴方が―――」

やってきた人物(声は女の子だった)を見ようと振り向き―――――――――


――――――――――パリン。


釈然としなかった気分・・・そのフィルターにヒビが入り、一瞬で砕け散る。その直後、重要な事が濁流となって思い返された。目の前には赤いコート・・・っていうか、赤ずくめな出で立ち。髪は今時いるか?っていうくらいのロングツインテール。
強気で活力のある眼差しを持ったその女性は―――

「――――――――遠坂・・・・・凛」

今し方3日かけてやったゲーム、Fateに出てくるヒロインの1人、遠坂凜と全く同じ容姿の人物がそこにいた。脳裏にはたった一言。


――――――――――――有り得ねぇ。


それだけだった。

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