「今日もしろーのご飯は美味しそうだね〜。いただきまーす」

「この料理は期待できそうだ、ではいただきます、シロウ」

「ふむ・・・小僧の腕前がどの程度か見てやろう。まぁ、過剰な期待は無駄だろうがな」

「和食も偶にはいいかもね。まぁ私はいつも朝食べないんだけど。いただきます」

「あ・・・えっと、その・・・いただきます」

各々分かりやすい一言だ。戸惑ってるの桜だけだし。ま、そのままスルー出来るならそれに越したことはないか。さて、ゲームで散々語られた衛宮士郎シェフの実力を味わわせて貰おうかなっと。

「い〜ただきま〜す」

どっかのロボット大戦に出てくるC調人間っぽく言って手を合わせて、まずはサンマをはむっと一口。

「むおっ!?」

う・・・ウマー!!?え、何コレマジでサンマですかこれ?れ、レベルが違う・・・。母さんが焼いた魚と比べても段違いかも。

「あ、口に合わなかったか七枷?」

「い、いやいやめっちゃ美味しいんですけど?」

「そうか、良かった。いきなり変な声出すから不味かったのかなって思ったぞ」

「衛宮、お前将来コックになるか大衆食堂でも経営した方が良いんじゃないのか?安い、早い、超美味いって殺し文句付いて満員御礼間違いなしだって、マジで」

「あ〜、いや、まぁ・・・あははは・・・」

まぁ、正義の味方になるって目標がある手前、結構複雑なんだろう。苦笑いし通しだった。

「ふ・・・確かに、壊れた妄想を追うくらいならばそれが一番マシな選択だと私も思うぞ士郎君。かなり未熟だが、このレベルでも大衆食堂程度ならば充分通用するだろうよ」

「・・・何となくお前にだけは一番言われたくない台詞なわけだが・・・」

「はいはいそこの黒い君!しろーをいじめちゃダメだよ」

「む・・・」

うは、アーチャーがタイガーに窘められてるよ。まぁ、元が衛宮士郎だからある意味当然か。

「で、でも料理なら桜だって凄いぞ。たった1年で洋食は完全に負けちまったし、和食だってもううかうかしてられなくなったし。・・・料理の師匠として喜ぶべきか悲しむべきか。なぁ桜?」

「え?あ、そんな事無いですよ先輩、私なんてまだまだで・・・」

「へぇ、桜ちゃん洋食は衛宮より得意なんだ。あ、じゃあ機会があったらでいいからさ、ハンバーグとか作ってよ、味見でも良いから」

「あ、はい七枷先輩。機会があれば作らせて貰いますね」

「(はむはむはむ、ぱくぱくぱく、ゴクゴクゴク、もぐもぐもぐ、コクコクコク)」

「あむ。う、これは負けた・・・。はむ。こ、これも・・・。もぐもぐ。ぐ、ぐぐぐ・・・これもか・・・っ!ゴク。ふ、ふふふ・・・・これは勝った。ていうか負け越してるの私?う・・・ううん!ち、中華なら私の方が絶対全勝で・・・」

和気藹々とした朝の食卓は良いねぇ。あ、でも約2名は隔離します。何か別の意味で殺伐としてますから。いや、ホント切り離させて下さい、おながいします。

「ごちそーさまー!いやー余は満足じゃ〜」

もう食べきったのかタイガー。結構な量があったのに・・・。

「あ、そろそろ『今日の占いカウントダウンHYPER』が始まる〜。テレビテレ―――」

ん?何かタイガーがフリーズした・・・?



「って、な―――――なんじゃあこりゃあ!!!???

遅っ!






『Fate/The impossible world』






「し、ししし士郎〜!七枷君や黒い人は良いとして、なんで遠坂さんと金髪美人さんがこんなとこにいるのよぅ〜〜!!!」

オレとアーチャーは良いんかい。ホントにパニクってるのかこの虎は。女にだけピンポイントにロックオンしてるのは、何か作為的なモノを感じるぞ。
ちら。遠坂を見る。そしてアイコンタクト。『先生、お願いします』ふぅ、と溜め息を1つ吐き、遠坂のやり込めが始まる。

「藤村先生、それについては私から説明します。実は私とこの2人・・・知人のアーチャーとセイバーと言いますが、彼らは私の家へ滞在する予定だったんです。でも生憎私の家は今とある事情で改装工事の真っ最中でして。3人ともホテル住まいだとどうしても予算的にかなり掛かってしまいますし、どうしようかと途方に暮れていた所、偶然衛宮君が『泊まるところが無いのなら工事が終わるまで家に住むか?』と提案してくれまして。衛宮君は同じ学園の同級生ですし、費用も食費だけで良いと言ってくれましたので、渡りに船と思い今日から居候させて貰ってるんです」

「で、でもそれだったら私に言ってくれれば藤村組に―――」

「それですと藤村先生にご迷惑が掛かります。それに、私個人と藤村先生は交友関係の縁も衛宮君と比べれば薄いのでちょっと・・・」

「う・・・・・・で、でも年頃の女の子と男の子が同じ家に住むなんて・・・」

「それも問題ありません。アーチャーや七枷君がいますから。それに、年頃の女性なら間桐さんもいるじゃありませんか。同居こそしてませんが、今まで衛宮君が手を出したりしてないようですし、そういった甲斐性は皆無だと思いますけど?」

・・・まぁ、投げっぱにするって言ったけど、もうちょっと言葉を選んであげようね遠坂。衛宮がヘコんでますよ?

「まぁ藤村先生、衛宮を信用してみてもいいんじゃないですか?オレもいますし、アーチャーさんもいますし」

「・・・まぁ、凛に手を出そうとすれば私が藤村さんに変わって士郎君を粛正しておきましょう。その辺は安心してまかせて貰って構いません」

「(はむはむはむ、ぱくぱくぱく、ゴクゴクゴク、もぐもぐもぐ、コクコクコク)」

いや、場面変わってるんですけどまだ食ってるんか騎士王よ。まぁ下手に喋るよりはそのまま食って貰ってた方がいいかもしれない・・・か。・・・ん、そのまま食って良し。

「うぅ〜・・・。まぁ、アーチャーさんや七枷君がいれば一応安心・・・かな。無碍に出て行けっていうのも酷だし・・・仕方ないか。分かったわ、しろーの家に泊まることを許します。でも、工事中の間だけだよ?」

「えぇ、助かります藤村先生」

「あ、そういえば何で七枷君はしろーの家に泊まってるの?」

ま、そうくるわな。流石にこればっかりは遠坂に投げっぱするわけにはいかない。まぁ、言いくるめる方法はもう考えてるけどね。

「あ〜、ちょっと衛宮君に頼まれた事がありまして。内容に関しては秘密ですが。それが結構時間かけてしまいそうなんで少し泊まり込みで手伝ってるんですよ、なぁ?」

「あ・・・えっと・・・」

『とりあえず、うんって言って話合わせろ。じゃないとヌッ殺す』とアイコンタクトを送信、そして衛宮にちゃんと受信されたみたいだった。

「そ、そうなんだよ藤ねぇ。いくら藤ねぇでも、これに関しては話すわけにはいかないぞ」

「む、生意気言うんじゃありません。お姉ちゃんにも力になることあるかもしれないでしょ?」

「藤村先生、衛宮君は先生の自慢の弟でしょ?」

「当然!」

えっへん、と仰け反る虎。はいはい、トラップトラップ・・・と。

「じゃあ衛宮君の事も当然信頼してますよね?流石にプライベートに関係することまで干渉するのは、教師としてもとしても家族としても度を越してしまいますし〜・・・ねぇ?」

「あ・・・う・・・」

「それとも、藤村先生は自分が苦労して育てた衛宮君を信頼なんかしていないとでも?」

「そ、そんなこと無いもん!しろーはお姉ちゃんがちゃんと立派に育てたもん!」

「じゃあ別に今回の件は衛宮君を信頼して何も聞かないって事でいいですよね」

「とっ当然よ!」

「はい、じゃあこの話はこれで一件落着って事で♪」

「う・・・うぅ。何か釈然としないモノを感じるかも・・・」

いかん、やばい。ヤヴァイ。楽しすぎる、人をやり込めるっていうのは。遠坂の気持ちが微妙に分かっちゃったかも・・・。

「まぁ、特に心配するような事でもないですので安心してください」

「・・・うん」

ふと、時計を見ると7時を越えていた。

「あ、藤村先生そろそろ出ないと学校やばいんじゃないですか?桜ちゃんも、部活とかが」

「え?―――あ!もうこんな時間!?て、テストの採点が残ってるのに〜!」

「あ、わ、私も朝練の開始時間ギリギリです・・・!」

「じゃあ、私達もう行くから!後ヨロシク!」

「じゃあ、先輩、七枷先輩、遠坂先輩、お先に失礼しますね!」

慌ただしく桜とタイガーが学校へ行ってくれた。



「ふぅ・・・ま、こんなもんかな。当面の問題は解決したし、では本題と行こうか」

こくり、と全員が頷く。

「じゃあ、話す前に・・・セイバーとアーチャーに話すことがあるから、衛宮と遠坂さんは席を外して貰えるかな?」

2人は頷いて居間から出て貰った。まぁ、盗み聞きをする性格じゃないし大丈夫だろう。

「それで、私達に話すこととは一体なんですか魔術師(メイガス)

「あ〜・・・そのメイガスっていうのはちょっと止めて貰えると有り難いんだけども・・・」

「では、何と呼べと?」

「オレの名前は七枷陣。七枷でも陣でも、好きなように」

「ではジンと。・・・あぁ、この響きは軽やかな風のようで実に呼びやすい。何となく好感を持てます」

それは風の精霊(ジン)風王結界(インビジブルエア)から、同じ風繋がりっていう理由かもしかして?

「で?七枷陣、我々に話とは一体何なのだ?」

「あ・・・あぁ、そうそう。え〜と、まず単刀直入に言うけど―――」





「2人共、この第五回聖杯戦争、何周目(・・・)?」





瞬間、部屋の空気が凍った。予め覚悟していたことなので、それほど固まったりはしなかったけど。

「―――言ってる意味が分からんな、第何回と銘打っているのだ、何周もするはずが無かろ「体は剣で出来ている・・・だったよね、アンタの魔術は」・・・なんだと?」

「ジン、何を言っているのですか、彼はアーチャーであってキャスターでは「円卓の騎士の頂点、聖剣エクスカリバーを持つ騎士王」・・・な!?」

「・・・オレは、アンタ達の真名、宝具を知っている。アンタ達だけじゃない、全サーヴァントの情報も。それはアンタ達も同じだろう?いや、アンタ達だけ(・・)は特例で・・・だ。更に言えば第五回に限り・・・ね。なんでしらばっくれるのかは分からないけど、予想は出来る。世界の奴隷も同然なアンタ達だと深く弄ろうとすればこの世界のルールに反するとか、イレギュラーが発生してしまう可能性があるとか。・・・あるいはその両方か」

「「―――――」」

沈黙。大体は図星、か。そして、何周かは確実に回ってるな。有り難い。最悪、2人共初回の状態だったら目も当てられない状況に陥っていたからな。ここは完全に賭だったけど、一応オレの勝ちだ。

「何度か回っているなら、分かってるよね?聖杯はアンリマユによって汚染されていて、真っ当な願いは叶わない。セイバーの願いである、王の選定のやり直しなんて到底叶わない事を」

「当然、そんなことは分かっています。それに私はやり直しなどもう求めない。私はシロウに出会って、己の浅はかさに気付きました。そして、犠牲を払っても救えた人々がいた。それは決して間違ってなどいないと教えてくれましたから」

「アーチャーは、衛宮と戦った記憶・・・いや、記録だったっけ?それを持ってるのかな?」

「―――確かに、衛宮士郎と戦い敗れたという記録はある」

「じゃあ、その後の遠坂さんに言った台詞だって知ってるよな?アンタも、これから頑張って行くって。なら―――」

「しかし、だからといってそれはそこの世界上での事だ。この世界での衛宮士郎もそうであるとは限らない。私の持つ記録では、大筋で衛宮士郎はこの私の軌跡を辿る結末を迎える。ならばそうなる前に―――」

「遠坂さんとの約束を破るんか?また(・・)・・・破る気なの、衛宮士郎」

「・・・・・・」

あの世界・・・凛ルートを通ったなら、記録って言う冷めた情報でも、アイツの心に響かないはずがないんだ。なら、説得するまで。勢いに任せて言い込んでやる。

「大体、その軌跡だって大きなイレギュラーが無ければ、の話なんだろ。今の世界がイレギュラーじゃないわけがない。今この時点ですらアンタ達の知る朝じゃないし、何よりイレギュラーの大本であるオレだっている」

ハ―――と、アーチャーは鼻で笑い、

「お前がいる?ならば七枷陣、お前は聖杯戦争に参加すると言うのか?駆け出しの魔術師で、尚且つサーヴァントすらいないお前が、衛宮士郎の辿る軌跡を変えるために命を張ると?凛から聞いているぞ、お前は死にたくないから聖杯戦争に関わらないそうではないか。言っておくが、サーヴァントを持たない魔術師などサーヴァントによって一瞬で始末出来るぞ」

若干の殺気を放ってそう言いやがった。暗に『私がお前を始末する事だってあり得るぞ』と言ってるのだこの弓兵は。そして、オレの沈黙を否定と捉えたようだった。また嘲笑を浮かべ、

「ほらみろ、所詮貴様は参加する気など毛頭無「―――協力してくれるなら」・・・何?」

「聖杯戦争をご破算するのに協力してくれるなら、オレは衛宮のために、アイツをたった1人の正義の味方にしないために命を張ってやる。あぁ、張ってやるともさ!こっちには遠坂さんも桜ちゃんもいる。分の良い賭なんだ、張れるさそれくらい。協力している最中にでもアンタがそれを見届けてればいい」

「―――では、仮に私が変わることなど無いと判断したらどうする?」

「それ―――は」

「ふむ・・・そうだな、別に欲しくもないがお前の腕を一本貰おうか。それくらいのリスク、背負うが当然。高みの見物などさせる気は無いのでな」

「―――分かった。腕一本賭けてやる。後悔させてやるさ、お釣りが出るほど衛宮を一番良い方向に持って行って、釣り分を白マジック使ってお前のほっぺに渦巻き、額には『肉』って書いてやっからな!」

「フン、やれるものならやってみるがいい小物」

じーっと睨み合う。古い表現で言うなら、『バチバチバチ!』ってやつだ。

「―――フン。・・・っと、あ〜セイバーもその、聖杯戦争のご破算させるのに協力して欲しい。元々2人に協力を頼みたいから衛宮達に外して貰ったんだけど。その・・・どうか、お願いします」

「・・・。聖杯戦争をご破算にする公算はあるのですか?」

「基本的には、可能な限りサーヴァントを消滅させないようにする。そして不完全な状態の大聖杯をエクスカリバーか何かで粉砕してしまえば、破壊されなくても、最悪封印状態には出来ると思う」

「そんなことが可能なのですか?ジンも知っているでしょう。バーサーカー、キャスター、ランサー、アサシン、ライダーのいずれもが一筋縄では行かない事くらいは」

「キャスターは元々葛木との生活を邪魔しなければ何とかなるし、アサシンはキャスターを押さえれば自動的に除外出来る。ライダーは桜ちゃんを手にかけなければいいし、バーサーカーは少し問題あるけど、イリヤを説得できれば良いと思う。ランサーは戦いを求めてるけど、オレに考えがあるから交渉出来る可能性は高い・・・と思う」

勿論、場合によっては戦闘もあり得ると思う、と一言付け加えたら、セイバーは目を閉じて思案に耽る。・・・そして、

「・・・・・・良いでしょう。貴方は世界の外側から観る観測者の位置づけに近い。加えてあの能力も援護重視にさせれば有利に進められる。私も、貴方に賭のコインを張る価値はあると判断します。貴方に協力しましょう、ジン」

「―――よっしゃっ!ありがとうセイバー、恩に着るッス」

せいばーとあーちゃーがなかまになった!って感じだ。上手くいった、サーヴァントを2人仲間に入れられたのは有り難い。

「じゃあ、早速お願いしたい事があるんだけど―――」

「あ、はいなんでしょうか?」

「フン、勿体付けずにさっさと言え。仮にも英霊なのだ、貴様程度の願いなどどうとでもなる」

ふーん、あっそ。じゃ遠慮無く。







「―――衛宮と遠坂さんに、2人の真名を明かす事を認めて欲しいんだ」







「ふ〜ん、アンタ衛宮君の未来の姿なんだ〜。へぇ、英霊になるまで頑張れたんだ良かったじゃないふふふふふ・・・」

「・・・こいつが、オレの未来?ていうか、何で白髪で真っ黒になってるんだよ」

で、遠坂と衛宮を呼び戻して、2人の真名をバラし、更に宝具もバラした。衛宮は納得いったような複雑なような微妙な表情でアーチャーをジロジロ見直している。あ、遠坂は何かバックに「ゴゴゴゴゴゴ・・・」と擬音が浮かんでくるようなオーラを纏ってます。

「そして記憶に混濁があるっていうのも嘘っぱちで、宝具は固有結界?剣なら宝具もコピっちゃえる優れものか〜。いや流石ね、固有結界持ちが封印指定を食らうのも頷けるわ。ふ・・・ふふ・・・・・・

「い、いやそのだな凛。私は決して君を騙してからかうとかそんなつもりでは「アーチャー」な、何かね凛。分かって貰え―――」


「とりあえずアンタ、後で表へ出ろ」


「・・・・・・了解した。私に罪は決してないのだぞ、マスター」

ま、風呂敷広げたのは自分ですから、自業自得ってことで。だから、恨みがましく睨むな。プクク・・・。

「でもセイバーがあのアーサー王だったなんて、信じられないな」

「なんですかシロウ、ジンの言った事は全て真実です。それとも謀っているとでも?」

「あ、いや・・・何というか、アーサー王って男の人っていう先入観というか何というか・・・そういったのがあって戸惑ってるってだけで・・・」

「あ〜、えっと驚くのも分かるんだけどそろそろ数多くある聖杯戦争の結末をですね「どうしてくれようかしらこのひねくれアチャ坊主君は。松・竹・梅のどの罰にする?手順が違うだけだけど」「それは分ける必要が無いのではないかね凛?」・・・(―_―;)」

「あ〜・・・えーっと取りあえず少し静かにして貰えると助か「シロウ、私は王だ。あの時代女が王などと認められるはずが無かったのですがそれでも私はですね」「す、すまんセイバー。そんなに拗ねないでくれ」・・・・・・(―_―;#)」

「ちょ・・・君らいい加減静かにしても「「「「わいわいがやがや・・・!」」」」・・・・・・・・・」




ぷちん♪




―――ダン!!
「「「「!?」」」」

テーブルを思いっきり叩くと、一瞬静寂が訪れ、オレに注目。


「静かにせんかいお前ら。つか黙れ」


「「「「・・・はい」」」」

ふぅ。やれやれ。これでようやく喋れる・・・。

「さて、ともかく話すよ。聖杯戦争の幾つもある結末を。まずもう起こることはないけど、最初の選択を誤った場合の結末から―――」


inserted by FC2 system