「・・・これで全部。流石に細部まではオレも覚え切れてないけど、この45あるシナリオの結末の概要は話したよ」

「―――オレ、あの時参加を拒否してたらバーサーカーに首ちょんぱされてたのか・・・」

「あ〜、ノベルゲームだから具体的には分かりにくかったけど、多分首ちょんぱじゃなくって引きちぎられてたと思う。こう―――ブチっと」

「・・・・・・」

さわさわさわ。神妙な面持ちで衛宮は自分の首をさすっていた。

「・・・だけど、それよりも桜が魔術師だったなんて・・・。しかもその、遠坂の妹・・・っていうおまけ付きで」

「それだけどな、衛宮。お前、もし桜ちゃんが敵に回ってしまったらどうするんだ?正義の味方として・・・・・・始末するのか?」

「!そ・・・それは・・・その・・・」

「結末は言った。その通りには多分ならないだろうけど、ある程度はなぞれると思う。それでも、お前は汚染された桜ちゃんをどうするんだ?」

暫く考えた後、衛宮は顔を上げて、答える。

「・・・きっと、オレは桜を救う。桜はオレの家族だ、だから助ける」

「・・・・・・他の大勢の誰かを見殺しにするかもしれないとしても?」

その言葉に、衛宮は『うっ』とたじろぐ。だが、たじろぐだけ。深呼吸して、続ける。

「・・・桜は、オレが、助け・・・る。少なくとも、今はそう思う。今オレは―――誰よりも、桜の味方になりたい。うん・・・なりたいんだ」

「―――そっか。・・・・・・。そっか!」

うん、これでいい。まだ危なっかしいけど、そう思ってくれた事が何よりの前進だ。充分合格点を上げれる。と、そこで脇に座っている赤い男と目があった。
にやり。どーよ、まずはオレが先制だ。じっくりと行く末を見届けてくれたまへほっほっほ。って感じの目をしてやった。

「―――」

ちっ。と、舌打ちするアーチャー。うん、意味合いが伝わってるようで何より。

「忘れんなよ、白マジック。いつでも使えるように落ちにくい概念を強化しとけば?」

「貴様こそ。常日頃からその片腕に別れのお手紙でも書いておくのだな。今日1日くらいは猶予もあろう、数週間分まとめて書いておけ」

「・・・何の話だ2人共?」

「いや、こっちの話。あ、そうそう衛宮。さっきの決断は見事だぜ、これからもちゃんと頑張って行こうな!腕一本かかってるし」

「う、腕一本?」

「あ〜、こっちの話こっちの話。とにかく、みんなが納得する正義の味方を目指して邁進するように。じゃないと縦方向にリストカットします。おまいを」

「な、何か良く分からないけど勿論いつも頑張るつもりだぞ?・・・ってリストカットするのオレかよ!しかも縦方向って・・・本気で死ぬやり方でか!?」


そんなやり取りをしている中、遠坂は1人テーブルの1点を睨んだまま黙り続けていた・・・。






『Fate/The impossible world』






「・・・何が『間桐家の跡取りが欲しいから養子にくれ』よ。桜を散々嬲ってくれた挙げ句に、聖杯として作り上げようとして欠片を埋め込んだ?あのタヌキ爺ぃめ・・・・・・」



―――ブッ殺ス



とと、遠坂から何やら不吉なオーラが出ている。イカシンイカシン、怒り心頭〜!って感じの。つか、元ネタ古いなオレ。

「今すぐにでも間桐の屋敷に乗り込んでやろうかしら・・・」

っておい、本気で言ってるのか遠坂!?

「ちょ、ちょっと・・・本気で言ってるの遠坂さん?言ったよね、桜ちゃんには臓硯の本体が巣くってるって。今行ってもしらばっくれるだけだろうし、仮に問答無用で爺ちゃんの方を焼き殺した所ですぐに桜ちゃんの方を乗っ取られるのがオチだぞ?」

と反論したらじろり、と睨まれてしまった。う・・・そんな怖い顔しないでくれよ、事実なのに。

「・・・そんなに必死にならないでよ陣、言ってみただけ。心情的にはそんな気分だって事よ、今行った所で何にもならない事くらい小学生だって分かるわ」

「え?桜を助けに行かないのか遠坂?ならオレもって思ってたのに・・・」

先生〜、ここに小学生以下な人がいます。アーチャー、セイバー、遠坂、オレの4連コンボなジト目に衛宮は狼狽えた。

「な・・・何だよ?」

「我が事ながらつくづく呆れさせられる。お前は聞いてなかったのか?それとも頭の中が鶏なのか?今、間桐桜を救出に向かっても無駄骨を折るだけと言っただろう。それどころか警戒されるだけに終わる。デメリットしか無いのだ」

「アーチャーの言うとおりですシロウ。残念ですが、今の段階でサクラを救出する事は不可能に近い。今はまだ動くべきではありません」

「あのねぇ士郎、単なるジョークくらい分かるでしょ?それくらいの空気読んで欲しいわ」

「・・・オレはもう一度おまいに全ルートを説明し直さないといけないのか?」

はぁ・・・。と、申し合わせたように4人の溜め息がハモった。

「いやその・・・だけど、何か方法があるかもしれないじゃないか」

「だから、臓硯を何とかしないとどうしようもないって言ってるじゃないの。今はまだ動くべきじゃないわ」

「―――まぁ、一応方法は無い事は無いんだけど」

「ほ、本当か七枷?」

「今の段階で何か打てるの?臓硯の本体の摘出は綺礼の心霊手術でも不可能だったって言ったじゃない」

「・・・・・・破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)さ。あれを桜ちゃんに使えば、臓硯ごと刻印虫も排除出来るかもしれない。Fateではアンリマユとの契約を破棄するのに衛宮が使った所しか無いから、断定は出来ないんだけど・・・」

なるほど、と遠坂は腕を組んで自分なりに検証している。

「確かに、不可能じゃないわね。臓硯の本体が魔術的な生物だから、一緒に消滅させる事は出来るかも。じゃあキャスターを引き入れるまでは何とか誤魔化していく事になるわね」

いや・・・あの、何か重要な事忘れてませんか?

「えーと、一応今すぐに出来ないこともないよ」

「?何でよ、破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)持ってるのキャスターじゃない。今はまだキャスターは味方にもなってないのに・・・」

「いや、そうじゃなくってさ。遠坂さんのサーヴァントは一体何が得意なんでしたっけ?」

「・・・?―――――あ」

「・・・気付いて貰えたようで何より。キャスターがいなくてもそこの赤い人がコピれるからね。当然、投影出来るよなアーチャー?」

「あぁ、私の貯蔵庫にちゃんと記録されている」

「だったら、直ぐにでも桜を助けに「だから今はダメだってば!」な、なんでさ!」

破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)は最後の手段として考えておいて欲しい。一番確実なのはキャスター経由で桜ちゃんを看て治して貰う事。それが一番確実で助かる可能性も一番高いんだ。もし破戒すべき全ての符(ルールブレイカー)で刺したのに臓硯が生き残った時は、確実に桜ちゃんを乗っ取ってしまうだろうから。だから、衛宮。悪いけど、少しだけ待って欲しい。今行動したらきっと最悪の展開になると思う。だからこの通り、頼む!」

手を合わせて、衛宮に頭を下げる。ここで独断専行されたらどうしようもない。

「―――すまん、七枷だって桜の事ちゃんと考えてくれてるのに、カッとなって強く言っちまった。悪い」

「いや、オレこそすまん。桜ちゃんを早く助けられるように、進行も巻き巻きで可能な限り早く進ませるように努力するから」

そう、早く済ませれば済ませるほど良い。さっさと終わらせないと。こんな無駄な戦争は。

「あ、そうだ遠坂さん、それとアーチャー。ちょっとお願いがあるんだけど」

「?何よ?」

「何だ?」

「えっと・・・衛宮の魔術回路なんだけど、今の内にさっさと開放しておきたいからさ、宝石1個飲ませて叩き起こして欲しいんだ。今夜にでも。で、アーチャーは衛宮に自分の知ってる剣の投影物(バッタモン)を見せて、ついでに投影の訓練して欲しいんだけど」

「そうね、予定を大幅に繰り上げておいて損はないものね。分かったわ、適当なやつを家から持ってくる」

「バッタモンとはまた随分な言い草だが了解した。この未熟者がどこまで追いかけてこれるか見物だしな。さて、付いてこれるか?小僧」

「な―――偉そうに・・・。やってやろうじゃないか。てめぇこそ付いてこいってんだ!」

なんか暫く先の桜ルートイベントが今ここで起こってるし。

「あ、陣。アンタの着てた制服だけど、孔とか血とか目立つから魔術でぱぱっと直しておいたからね」

「あ、ホントに?助かったよ遠坂さん、あれ使えなくなると家にあるスペアの1着しか無くなるからどうしようかと思ってたし。サンクス」

「ま、士郎の強化にかかる宝石の分も含めて貸しだけどね」

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・え゛?

「マジデスカ?」

「うん、マジ」

「ち、ちなみにどれくらいの金額・・・?」

と、どこからともなく電卓を取り出す遠坂。凄い速さで入力していく。あ、金に関係する電子機器とかは充分扱えるのね。ある意味遠坂らしいけど。

「こんなモンよ。で、年利3%」

えーと。いち、じゅう、ひゃく、せん、まん・・・。・・・・・・・・・な!?

「ちょっっっおまっっっ一体オレを何回破産させる気なんだよ!?」

「ふふ、さぁ・・・?骨髄の一滴まで無くなるくらいとか?」

カンベンシテクダサイ。






学校が始まる時間の余裕はまだ一応あったけど、オレ達は一旦別れた。というより、オレが任意で別れた。今日の学校の準備もあるし、何より母さんに無断で外泊してしまってるし。怒られるのは目に見えてるけど、仕方ないしなぁ・・・。
ガチャ。キィィ・・・。

「ただ〜いま〜・・・と」

「陣!」

うわ!そっとドア開けたのに反応早いなおい。

「何処行ってたんよもう〜!母さん心配したやんか、ケータイかけても電波届いて無いって帰ってくるだけやし。せめて一言連絡くらいして〜な〜!」

「あ〜、ゴメン母さん。ちょっと電源切っててさ。昨日は衛宮の家に泊まらせてもらってたんよ」

「衛宮君とこ?なんでまた?」

「あ〜・・・ちょっと衛宮に手伝って欲しい事があるって頼まれてさ、それがちょっと時間掛かりそうだから暫く向こうに泊まったり家に戻ったりの繰り返しになりそうなんだわ」

じ〜・・・っと母さんがオレを見つめてる。居心地わりぃなぁおい・・・。


「―――――それだけ?」


「・・・え?」

「―――ホンマにそれだけなん?昨日陣が学校に行ってから、ウチ変な気分やったんよ。陣がもう帰ってけぇへんような気がして・・・案の定昨日は帰ってけぇへんかったし、凄い怖かったんよ」

―――母さん。

「なぁ陣、別に何か危ない事とかしてへんよね?いなくなったり・・・せぇへんよね?」

全くこの母親は―――変な所で勘が鋭い気がする。はぁ、と呆れたように溜め息をついて、

「アホか、車に轢かれたりして人生終了するほどオレは病んでないし、自殺願望なんて皆無じゃ。それに、危険な事は基本的に回避したがる性格だって知ってるやろ?いなくなったりもせぇへんって。何をいきなり言い出すかこの母親は」

「う・・・ん、そう・・・やね。あはは、何言うてるんやろうねウチ。陣はいつも面倒事から逃げ回ってる事なかれ主義のチキンさんやもんね。危ない事なんてする筈無いよね」

おいコラ、そこまで貶す事ないだろ。モノには限度っつーものがありますよお母様?

「とにかく、今日から衛宮の家と往復すると思うからヨロシク。じゃ、そろそろ学校行く時間だから」

「は〜い、衛宮君に迷惑かけたらあかんよ〜。夜更かしせんとおとなしゅうに早く寝とくんやで〜」

「オレは小学生か。んじゃ、もう行くわ」

「陣」

「んあ?」

「・・・・・・気ぃつけてな。ウチ、何も聞かん。何も聞かんから・・・ちゃんと、帰って来てぇな」

「・・・・・・。おう、あったり前やんか!オレが簡単にくたばるような(タマ)かっつーの」

「・・・ん、そやね」

「それじゃ、行って来ます、母さん」

「・・・行ってらっしゃい、陣」

ありがたかった。気付いてたのに何も聞かないでくれたのが嬉しかった。オレもやっぱ人の子、母さんは巻き込みたくなかった。

「・・・よし!」

新たに決意を固めて、いざ登校ってか!やってやるさ、絶対に死んだりするもんかよ!






「甘〜〜〜い!甘いよ甘すぎるよ遠坂さん、バレンタインデーにハートの刺繍があるお揃いのセーターを編んで着てるバカップル並に甘いよ」

「・・・・・・。何ソレ?」

「後半年くらい経ってから出てくるとあるお笑い芸人のネタ」

「ていうか、それって甘い以前にイタイ気がするのはオレだけか?」

「・・・確かに」

何でこんな戯言ぬかしてるかと言うと。


張られてました。他者封印・鮮血神殿(ブラッドフォート・アンドロメダ)が。校舎内に入った瞬間、クソ甘くて吐き気すら催す空気が充満していた。察知出来ているのは魔術師のみ。衛宮や遠坂は勿論、オレもこの異常を察知出来た。ペーペーのオレでも分かるくらいだから、隠蔽する気なんてさらさら無いのだろう。

「これがライダーの宝具か・・・。なるほど、話聞いたときも胸くそ悪かったけど実際感じれば想像以上のクソ外道な結界ねコレは」

「これが発動したら、学校の皆が溶かされちまうのか・・・」

「とりあえず、遠坂さんは放課後にでも基点を潰して時間稼ぎして。衛宮は現状でやれることは無いからいつも通りでヨロシク。とにかく今日は戦力を強化することに専念しよう。全ては明日からなんだ、今日は2人共堪えてよ」

「分かってるわ、何度も言わないで」

「ん・・・分かってる。とにかくオレも強くならないと話にならないしな」

「うい。んじゃ、また放課後に。あ、衛宮。慎二から間桐家に誘われても断るんだぞ」

「あぁ、分かってる。じゃ、またな遠坂、七枷」

ちなみに、セイバーは衛宮家に待機。アーチャーは霊体化して遠坂に付いている。出来ればセイバーも連れたかったけど、ずっと裏の林に居て貰うのもどうかと思ったので今日はとりあえず待機してもらった。かなり不満気だったが。





キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン♪
今日の授業が全て終わった。いくつか想定していた事態は起こらなくて幸いした。即座にアンドロメダが発動してしまうとかな。これで、明日以降はまずキャスターを何とか説得したい。その後はイリヤ、ランサー、ライダーの順か?いや、ライダーは優先した方が良いのか?・・・その時々で考えるしかないか。

「(じゃ、基点潰しヨロシク)」

「(OK、まかせといて)」

と、アイコンタクトを軽く交わしてオレは学園の外に出る。お、丁度良い所に衛宮がいた。

「よう、衛宮。今から帰る所?だったら一緒に戻るか?」

「お、七枷か。いや、オレはちょっと買い物に商店街へ出るから先に家に帰ってセイバーの相手でもしててくれ。そんなに時間かけるほどじゃないし、買い物の量も多くないし」

「ん〜、そか。じゃあお言葉に甘えるかな。でも、荷物多くなったら携帯に電話してくれな。荷物持ち手伝うからさ」

「おう、その時には手伝って貰うよ。ありがとな」

「うい、じゃお先〜」




「I wanna be a VIP STAR〜君がずっと〜、夢中〜なそれ〜なん〜てエロ〜ゲ♪・・・っと」

てくてくと、1年以上経った後にリリースする曲の替え歌を口ずさみながら帰路を辿っていく。

「帰ってからセイバーの相手・・・ねぇ?話すネタが無いっちゅーねん」

ん?目の前に屋台がある。ほほう、大判焼きか。しかも1個100円。めっちゃ安い。うし、ちょっと買って帰ってセイバーに餌付け・・・もとい、差し入れするか。そこから会話が弾めば棚ぼただもんな。

「あ、おっちゃん。大判焼き・・・え〜と(ん?10個で900円か・・・)10個頂戴」

「あいよ〜、900円ね〜」

さて、目的のブツをゲットだぜ!・・・長寿もいいとこだよね、あのアニメも。
それじゃ、早速帰っておやつを食う事にしますk―――


グイ―――――


な―――


―――――ドグッ!


「ガハ―――ッ!」


何だ?何が起こった?状況を整理しろ七枷陣。まず、屋台で大判焼きを買った。ホクホク顔で帰り道を歩き直した所で、誰かに掴まれて裏の路地に引っ張り込まれた。で、その誰かって言うのが、今目の前にいる眼帯っぽいマスクをかけたボディコンっぽい服を着た紫色の長い髪の女性・・・・・・って、


「大人しくして下さい。騒がなければ、手荒にしなくて済みますので」


ら、ららららライダー!?ちょっっおまっっ聞いてませんよこんな展開!?つか、早くもイレギュラーなイベント勃発ですよ!

「むー!むーむーむむーむー!!」

と、声にならないくぐもった声を出してると、ライダーから殺気が溢れ出し、その手が首にかけられる。


「大人しくして下さいと私は言いました。守って貰えないのならば―――貴方を殺す事になりますが?


本気だ。こいつの雰囲気がそう物語っている。しかも、マスターはあのヘタレだ。一時的だけど。アイツが後先考えるわけがない。

「再度問います。―――静かにして貰えますか?」

・・・・・・コクコク。

「ありがとうございます。大丈夫、優しくシテあげますので怖がる事はありませんよ。少しふらつく位で、命に別状はありませんので」

遠坂も衛宮も、サーヴァント達もいない。この状況は圧倒的に不利だ。前の(・・)オレだったならば。
今は力がある。サーヴァントに負けないほどの力が。なら、やってやろうじゃないか。身体の中にあるスイッチを押し込んで回路に熱を灯す。

―――具現魔術、起動(スタンディンバイ)

今手持ちにあるカードは・・・。胸ポケットにあるサイドボードにしか手は出せない。デッキは鞄の中、鞄は地面に落ちている。手が届くはずもない。ちらり、と取り出したカードを見る。・・・『怒り狂うゴブリン』か。低コストの最弱クリーチャーだけど、今はとにかくライダーを引き離すのが最優先。この際このクリーチャーで構わない!出ろ!!

「(怒り狂うゴブリンよ!)」

・・・。
・・・・・・。
・・・・・・・・・。アレ?

「(何で・・・?魔術回路は作動した。魔力も出てる筈なのに・・・)」

何で・・・何で・・・!?

「(召喚・・・出来ない!?)」


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